タッピング課題と円描画課題における運動学習過程の脳活動計測：近赤外線分光法による検討

摘要

本研究では被験者が運動を行った際の脳活動をNIRS脳計測装置を使用して測定し，運動の慣れや精度とNIRSによって計測される信号（NIRS信号）の関係を明らかにすることを目的とする．本研究ではまず運動として，指タッピング運動を行った．指タッピング運動は単純なタスクながらNIRSでの賦活が大きく，多くのNIRS脳計測実験において使用されている．今回はNIRSと運動の慣れの関係を調べるための基礎的な研究として，右手（利き手）による指タッピング運動を使用した．また，精度を要求するタスクであるほうがより顕著に運動学習中の脳活動に変化が現れると予想されるため，円描画タスクにおけるタスク運動中の運動精度とNIRS信号を測定し，その関係を検討した．