ARマーカを用いた車いす·ベッド間の移乗支援システムの開発（H29年度埼玉県ロボット研究開発委託事業車いすナビゲーションロボットの開発）

摘要

本研究は，ARマーカを用いた車いす·ベッド間の移乗支援システムの開発を目的とする．片麻痺患者の移動手段として，車椅子が多く用いられる．患者が車椅子で生活を送るには，トイレやベッドへの安全な移乗が必要となる．そこで，安全な移乗を実現するためには，患者は自身の姿勢を把握する必要があるが，自身の姿勢を視覚で把握することは困難である．介護者が患者の移乗を支援することで，安全な移乗を実現できる．しかし，介護者が常に支援することは，介護者にとって身体や精神に負担がかかる．さらに，患者が体に触れられることを嫌うなどのプライベートの問題により，介護者からの支援を拒絶している患者もいる．これらの理由から，片麻痺患者の移乗動作の自立支援が必要となる．