気体式アキュムレータの窒素ガスの数学モデルに関する研究

摘要

気体式アキュムレータは，油圧回路において，油圧エネルギーの貯蔵，サージ吸収，脈動吸収などに利用され，近年ではエネルギー回生に活用されるなど，大きな注目を集めている．一方で，アキュムレータの効率は，運転サイクル，充填·放出時間，周囲温度，アキュムレータの構造などの多くの要因の影響を受けるため，定量的に求めることは容易ではない．本研究では，気体式アキュムレータの主要な構成要素である窒素ガスの状態変化に着目し，特にその数学モデルについて検討した．第3章では，窒素ガスの臨界点について述べる．第4章では，窒素ガスの数学モデルの例として，実在ガスモデルであるvan der Waals方程式とSRK 方程式を紹介する．第5章では熱伝達を考慮したアキュムレータモデルを紹介し，第6章では放出過程の数値計算結果を実験結果と比較する．第7章で，結言を述べる．