スラット低騒音化に向けた母翼前縁形状の変更による高揚力装置の空力性能と流れ場への影響調査

摘要

本研究では3翼素高揚力翼型に対して，母翼の前縁形状を変更した際の空力性能と流れ場，騒音推定パラメータへの影響について調査を行った．以下に挙げるような空力性能への影響，流れ場への変化傾向，設計知識を得ることができた．1. 母翼前縁のx座標xleを小さくすることでs||R-TE||に変化を与えることなく空力性能を向上できた．しかし，基準長の設定が適切ではなかったため，母翼翼弦長の変動に応じてスラット翼弦長も変動させることで形状変更後の基準長を統一し評価を行う必要がある．2. 母翼前縁のy座標yleを大きくすると，s||R-TE||を改善できるが揚力が減少する結果となった．3. yleを小さくしたドループ形状では失速特性はゆるやかになるも，空力?騒音の両面でbaseline形状より性能が低下した．4. rを小さくすると，s||R-TE||の変化はほとhど見られず早期に剥離が発生し失速特性が著しく低下した．