バイオマス利活用事業における協力行動普及過程を考慮したマルチエージェントモデルの開発

摘要

本研究では，廃食用油利活用に着目し，家庭系廃食用油の回収を対象とした回収量予測のために廃食用油回収モデルを開発した．回収量予測を考える上で家庭から発生した廃食用油を回収用ボックスで回収し，回収者が集めるまでの一連の流れをモデル化した．そして，システムダイナミクスとしてモデル化するとともに，イノベーション普及モデルとイノベータ理論を参考にマルチエージェントシステムとしてモデルを開発した．開発したモデルをシミュレーションするためにマルチエージェントシミュレータ·Repast Simphony を用いてJava 上に実装した．また，八戸市の廃食用油回収量データを用いて，モデルの妥当性を確認した．本研究で開発·実装した廃食用油回収モデルは，回収量を予測するものであるが今後は，バイオディーゼルの製造やコストなどの経済面の予測も行えるモデルの開発が期待される．