ロボット制御セル生産システムにおける画像処理技術を利用した稼働率向上への取り組み

摘要

生産分野における少子高齢化のための就業人口の減少に対するアプローチの一つとして，従来の人によるセル生産から，ロボットによるセル生産方式が注目を浴びている．我々は2000年4月から兵庫県滝野事業所に新規生産システムとして「ロボット制御セル生産システム」を世界に先駆けて実稼動させ，主力の高性能·高信頼性を有する産業用スイッチや産業用リレーの生産拡大を行ってきた．Fig.1に示した「ロボット制御セル生産システム」は，2000年に生産ラインに導入してから5200万台にも及ぶ製品を生産してきており，その間のロボット制御セル生産システムの改良の積み重ねにより，生産に要する時間（タクトタイム）の短縮で実績を挙げてきた．近年，ロボット制御セル生産システムのさらなる進化を目指して，画像処理技術を利用した生産システムの稼動率の向上に取り組hでいる．本稿では，近年の研究成果として，ロボットへのティーチングに要する作業時間を短縮する手法や，さらに生産中の一時的なェラー発生によるロボットの停止（チョコ停）を事前に回避，もしくはチョコ停から自動で復帰することにより，生産システムを安定して長期連続稼働させる手法について紹介する．