環境関連法がマテリアルフローコスト会計に及ぼす影響評価

摘要

環境問題を解決するための行動は、まだ環境問題が起こっていない段階で、環境問題の原因に対して対策を講じる緩和策と、環境問題が起こってしまった段階で環境問題による影響に対して対策を講じる適応策があるが、後者の地球環境問題に対する適応策として数多くの技術が開発されており，そのほとhどは各分野で活用されている。現状では、適応策に対して緩和策の割合が低いように感じられる。今後，われわれは環境保全技術の普及はもちろhであるが、緩和策である環境保全のための仕組みの確立に努める必要があるのではないだろうか。このような緩和策の一つとして、環境保全のための仕組み（マネジメントシステム）を構築し、組織体として環境負荷低減に取り組むという環境経営があげられる。環境経営に資する具体的な手法として環境マネジメントシステムがあるが、環境マネジメントシステムは環境保全技術の活用方策を含め，企業や行政などの組織体における環境配慮活動を推進するための経営ツールとしてISO 規格が存在する。地球環境問題における緩和策と適応策、両輪で動くものではあるが、可能であれば緩和策を優先させるべきであろう。また、いかに優れた技術やシステムであっても組織の経営者がこれを導入して利用する意思がなければ，全く役に立たないということもある。以上のような観点から、本文では製造業における地球環境問題対策をマテリアルフローコスト会計と環境法という側面から論究し、環境経営という観点に立脚して組織における環境保全活動に関する分析·評価を行った。