吸着ブレーキを適用したイモムシ型管内走行ロボット（吸着ブレーキと体節を構成するベローズアクチュエータの特性）

摘要

現在，各家庭にガスや水を供給するための管が道路の下に張り巡らされている．埋設されているガス管や水道管にはポリエチレン管などの樹脂管が広く普及している．樹脂管は腐食しないため，腐食による流体漏れの被害はなくなった．しかし土圧や道路上を走る車による振動が原因となり，管の継ぎ手部分から流体が漏れることがある．流体漏れを放置すると爆発や地盤沈下の要因となる．流体漏れを早期発見するためには管の定期的な検査が必要である．管を掘り返し検査する方法では労力，時間を大きく費やすことになる．そこで，当研究室は管内走行マイクロロボット(1)による配管の検査方法を提案している．そして，イモムシ（キアゲハの終齢幼虫）の動きを模倣した管内走行ロボット(2)を試作した．ロボットは，イモムシが腹部を波打つように動かし，腹脚を吸着させて移動する点を模倣している．ロボットは空気圧で動作するため，空気圧を生成する機器とロボットは空気供給管で接続されている．従ってロボットが管内を長距離走行するとき，ロボットには空気供給管を牽引するための牽引力が必要となる．今回，走行中のロボットにおいて，各要素の力学モデルおよび力の釣り合い方程式を導出した．これらからロボットの牽引力を予測することができたので報告する．