総合力の醸成を図るモジュール統合科目教育

摘要

本専攻では「国内外における機械分野の技術革新に積極的に貢献することのできる高度専門能力に加えて、幅 広い技術分野へ展開できる統合能力と人間力を修得し、機械工学の学問分野を基幹とした研究開発分野または先 進的専門領域で活躍できる、人間力豊かで行動する高度専門技術者を育成する。」ことを目指している。平成20 年度の大学院教育改革では、図1のような学習·教育目標とその目標達成のための専攻主要科目と専修科目、さ らに共通専攻科目として13科目（26単位）を配当しカリキュラムの再構築を行った。これは機械工学分野に おいては、設計·試作.実験·評価·改良の一連の流れを総合的に理解することが重要であるが、学問分野が多 岐にわたっており、断片的な知識習得に陥りやすい。このために、大学4年間で学hできた種々の要素技術を関 連付け、統合的に学習する教育が大学院教育改革の際の本専攻の課題であった。本申請の教育プログラム⑴である、モジュール統合科目では、統合能力と人間力を実践的に修得する科目とし て、「機械部品最適デザイン統合特識」「航空機設計開発統合特論」「制御系設計解析統合持論」「ものづくりデザ イン統合特論」の4科目を配して、図3で示した学習プロセスを基にした授業運営、ならびに基盤科目群と応用 科目群と連携、専門分野が異なる教員や産業界と連携した統合化チ—ムコ—チングによる指導、さらに、学外の 産業界等との連携により実社会での現実的な問題解決への取組みを疑似体験し、実社会で実際に活躍できる高度 専門技術者を育成することを目的としている。なお、当専攻の教員数は34名、うち本申請の教育プログラムの 担当教員は合計16名、学生数は平成20年度入学者数43名、平成21年度42名、平成22年度52名である。加え て本教育プログラムに関連する産業界とのかかわりとして3年問で延べ20社、企業技術者は延べ45名であった。