3光束干渉による光軸方向に強度分布を持つ格子投影における位相シフト手法の検討

摘要

格子投影法は空間的に強度変調された光波や干渉縞を物体に照射することで非破壊·非接触にその形状や変位を計測することができる[1,2].しかし，面外方向の情報を得ようとする場合には，光源とカメラの間の距離を大きくする必要があり，計測システムの小型化は難しい.また，とくに干渉縞を用いる場合には分解能がサブマイクロメートルオーダーと小さすぎるため，大きな構造物の計測には適さない.これらの問題を解決するため，著者らは3光束干渉による格子投影法を提案している.本手法では，3光束干渉によって光軸方向に強度分布を持つ格子が得られる.よって，物体の面外方向の形状が図1に示すように等高線のように現れるため，それをカメラで直接計測することができる.また，これにより，光源とカメラをほぼ同軸に配置した状態で遠方の物体を計測することができる.本稿では，この光軸方向に強度分布を持つ格子（干渉縞)から位相を算出するために位相シフト法[3]を導入する.以下では，数値シミュレーションによって光波の位相シフト量と光軸方向の干渉縞の移動量を評価する.