薬物の高容量搭載を目的とした新しいマイクロニードルアレイ製作法の提案

摘要

体内に薬物を直接投入する方法の1つである注射器は，19 世紀に発明されてから現在まで多くの医療分野で利用されてきた．しかし，注射針の使用につき，注射を受ける側にとって視覚的及び触覚的痛みと恐怖は解決すべき課題でもある．近年，従来の注射針の課題を解決するために，痛みや恐怖の軽減（低侵襲），使いやすさ（便利性）を始めとした様々なメリットを持つマイクロニードルが研究開発されている．数百ミクロンの直径と長さを持つマイクロニードルは，大きくソリッド（コーティング方式を含む），ホロー（中空），溶解性に分かれていてそれぞれの製作方法と応用に関する研究が行われている．その中，溶解性マイクロニードルは生分解性の薬剤がそのままマイクロニードルの本体になっていて他のマイクロニードルに比べて安全性が高く，投与に医療従事者を必要としないため，医療分野のみならず美容分野でも幅広く応用されている．