タルボット効果を用いた金属3次元ナノ構造の作製（第1報）格子形状の影響解析および作製プロセスの検証

摘要

金属3次元ナノ構造を光学素子として利用するには，大面積にわたる構造の作製手法の開発が求められている．そこで，タルボット効果という干渉現象を用いた光造形手法に着目した．タルボット効果とは，回折格子に照射した光の複数の1次回折光が干渉して生じる周期的な光強度分布である．近年報告されている研究例として，3次元リソグラフィに応用した例がある．ここでは，レジストにはSU-8というネガ型フォトレジストが一般的に用いられており，これを用いることでナノメートルオーダの微細構造を作製することが可能となる．一方，このSU-8に金属ナノ粒子を均一に分散させた報告例もある．そこで，本研究では，金属ナノ粒子を分散させたレジストに対してタルボット効果による3次元リソグラフィを適用することで，金属3次元ナノ構造を作製する．本報告では，回折格子の形状が，タルボット効果に及ぼす影響について述べる．また，金属ナノ粒子を分散させずに構造を作製し，光造形プロセスの検証を行った．