Cs置換ヘテロポリ酸担持シリカ上での光析出法によるPdナノ粒子の調製とその触媒作用

摘要

金属ナノ触媒は様々な触媒反応に広く用いられており、そのサイズを制御できる新しい担持法の開発は活性な金属触媒を設計する上で不可欠である。我々はこれまで金属ナノ粒子の担持法として、紫外光照射下、ゼオライトやメソポーラスシリカ骨格内の孤立Tiサイトを活性化させ、相互作用した金属前駆体をTiサイト上に還元固定化する光析出法を開発している。本研究では、Ti含有多孔質シリカの代わりにCs置換ヘテロポリ酸担持シリカを用い、紫外光照射下、粒子径の小さなPdナノ粒子を析出させる新規で簡便な手法を開発した。得られたPd触媒は、水素と酸素からの過酸化水素合成反応において、従来法である含浸法を用いて調製した触媒よりも高い触媒活性を有することがわかった。