三方晶Mo-V-（Nb，Te）－O複合酸化物触媒を用いたプロパンのアンモ酸化

摘要

低級アルカン選択酸化反応は，石油代替資源である天然ガスを原料とした化学プロセスに用いられるため，近年注目されている．Mo－V（M）－O（M＝Te，Nb，Sb）系触媒は，プロパンからアクリル酸への選択酸化，またはアクリロニトリルへのアンモ酸化に高い活性を示すことが報告されている．この触媒の基本構造は斜方晶または擬六方晶であり，6員環部内にTe，Sbなどが存在する．我々は，Mo，Vのみから構成される斜方晶，三方晶，正方晶構造のMo3VOx複合酸化物触媒を合成し，7員環構造を有する斜方晶および三方晶が低級アルカン酸化に有効であることを報告してきた．さらに，調製した三方晶Mo3VOxを原料に用いポスト水熱合成法を行うと三方晶構造を保持したまま恥を導入でき，アンモ酸化に高い活性を示すことを報告した．