脱アルコキシド反応を利用した水溶性ポリビニルフェノっきール共重合体の合成とその抗菌活性評価

摘要

これまで当研究室では皮膚刺激の少ない，いわゆる低刺激型高分子抗菌剤の開発を行ってきた．その過程でビニルフェノール（以下VP）及び水溶性モノマーからなる共重合体の合成により水溶性，抗菌性，低刺激性を併せ持つ材料の創製に成功した．しかしながら上記モノマーはその都度合成·精製を行う必要があるために多大な時間とコストがかかり，これが商品化への障壁となっていた．そこで本研究では4－tert－ブトキシスチレン（以下t－BuOSt）とω－メトキシポリエチレングリコールメタクリレート（以下MEGM）からなる共重合体の脱アルコキシド反応による合成を目指した．これにより，合成が簡略化されるだけではなく共重合体中のVP導入率及び水溶性の向上に伴う，抗菌性のさらなる向上も期待できる．