大気圧プラズマを用いたトルエン分解における水蒸気添加効果

摘要

近年、環境問題の原因となっている有害物質について、様々な処理方法の研究が行われている。その中で有機有害物質についても燃焼法、触媒法、吸着·捕集法、生物法、プラズマ法と様々な処理方法がある。これらの処理方法のうち、本研究では、被処理ガスの温度制御が不要で、処理時間が速いという利点がある大気圧プラズマ法を用いた。しかし、大気圧プラズマ法は各種化学物質に対し高い分解能力を示すが、実用化するためには有害副生成物の発生抑制という課題が残されている。よって本研究では、有機有害物質として塗料などの使用されるトルエンに着目し、その分解を試み、プラズマ処理後の排出気体の成分を調査し、排出気体の副生成物の制御を試みた。水蒸気濃度を高めた空気とトルエン蒸気を混合させ、放電させた。放電管より排出された気体の成分をGC（ガスクロマトグラフイ）、FTIR（フーリエ変換赤外分光計）によって調べた。