磁場集中による磁気マイクロツールの非接触操作

摘要

近年，マイクロ·ナノ加工技術の発展とともに，微生物や細胞のバイオチップ内における操作はバイオテクノロジー分野で大変重要になってきている．従来バイオチップ内のバイオ操作は顕微鏡から得られる画像情報に基づいて機械式マニピュレータを用いて行われていたが，そのプロセスの多くは人の手によるものであり，コンタミネーションの発生，再現性や成功率の向上，技術の習熟などの多くの課題を抱えている．我々はこのような作業を自動化し，作業効率を改善するために，マイクロ流路を用いた流体回路内で細胞操作を行うためのシステム開発を行ってきた．これには，従来手法で機械式マニピュレータなどによって行われていた細胞操作を，マイクロ流路内の閉空間でマイクロツールを非接触操作することにより行う必要がある．