EBSD 結晶方位分布に基づいた圧電材料のマルチスケール解析（代表体積要素の検討）

摘要

圧電アクチュエータは発生力，応答速度に優れているため，MEMS をはじめ様々な分野で利用されている．アクチュエータの性能を決定するマクロ圧電特性はミクロ結晶形態に強く依存することが知られているが，その影響は定量的に把握されていない．結晶形態を計測するには空間分解能に優れたEBSD 法が有効である．また，ミクロ構造の結晶形態とマクロ構造が発現する圧電特性の関係を解明するためには，マルチスケール有限要素解析を導入する必要があるが，ミクロ結晶形態に対する代表体積要素の検討が必要である．本研究では，マクロ材料特性向上のためのミクロ結晶形態の設計指針を得ることを最終目的として，マルチスケール有限要素解析にEBSD 法により得た結晶形態データを適用し，ミクロ結晶形態とマクロ材料特性との関係を明らかにする．本報では，マクロ均質化特性およびミクロ局所化応答からミクロ結晶形態の代表体積要素を検討する．