パルス電解法により作製したFe-Sn合金めっき膜の組成が電気化学的特性に及ぼす影響

摘要

近年、リチウム二次電池用の負極材料として高い理論容量を有するSn（994mA g~(-1)）が黒鉛の代替材料として期待されている。しかし、充放電反応に伴うSnの体積変化により、活物質の微粉化や集電体基材からの剥落が発生するため、十分なサイクル特性が得られていない。その改善策として、粒子の微細化やLiに対し不活性な金属（Co，Fe, Ni等）との合金化が挙げられる。これまで当研究室では、Ni-Sn合金めっき膜の組成が電気化学的特性に影響を及ぼすことを報告した1）。そこで本研究では、入手が容易かつより安価であり、Liに対し不活性なFeを用い、これまでに知見を得ているパルス電解法1，2）を用いて、Fe－Sn合金めっき膜を作製し、めっき膜組成がめっき膜の結晶構造、表面形態、およびその電気化学的（充放電）特性に及ぼす影響を検討した。