フラーレンを出発材料とする透明導電膜の形成

摘要

近年、透明電極の需要が増大している。現在主要な透明電極として酸化インジウムスズが使用されているが、これに含まれるインジウムは希土類元素の一種であり枯渇が懸念されている。そのため代替材料の開発が望まれている。代替材料の候補として、グラフェンが注目されている。しかし、現状において実用化サイズでの均一な膜形成には至っていない。 本研究ではC60単分子膜を出発材料とするグラフェンの形成を目指す。本実験では、その基礎的検討として抵抗加熱蒸着により作製したC60薄膜に対し紫外線照射及び熱処理を行い、二端子法による電気抵抗測定及びラマン分光法による構造解析を行った。