冷却水路鋳ぐるみ金型による冷却促進とそり低減

摘要

射出成形は，プラスチック製品の代表的な製造方法の一つであるが，冷却時に生じる収縮などによって，そりなどの変形が問題となる。金型に穴加工された水路は，直線状に限定されることから，キャビティ面との距離が不均一になるため，成形品の冷却も不均一となり収縮差が生じ，そりの原因となる。この問題を解決するため，水路を製作する部分の金型を鋳造によって製作する技術の検討を行っている。鋳造により金型を製作することで，曲線状の水路の配置が可能となり，水路設計の自由度が増す。本研究では，冷却促進による成形品のそり量低減への効果を検討するために，通水する金型冷却水路を変えて収縮率が大きい結晶性樹脂ポリプロピレン（PP）で箱形状を成形し，成形品のそり量を比較した。