超臨界CO_2クローズドサイクルガスタービンの開発 第一報：サイクル計算の高度化とバイオマス発電への適用検討

摘要

超臨界二酸化炭素（CO_2）を作動媒体とするクローズドガスタービンのプレイトンサイクル特性を検討してきた。このサイクルは、800K程度の中温度域でも従来のガスタービンでは前例の無い有意な効率を発揮しうるが、その実現には以下の設計課題が存在する。すなわち、（a）95％以上の高い再生効率の実現、(b)再生熱交換器の内部ピンチに起因する伝熱限界の緩和である。（a）については、新型マイクロチャンネル熱交換器（MCHE）を試作し、伝熱流動相関式を開発、小型で前記の再生効率を達成できる見通しを得た。（b）については、分流再圧サイクルを考察し、ピンチポイントの影響を最小化する運転条件を明らかにした。本研究では、サイクル特性とコストを支配する再生熱交換器のモデルを詳細化した。本シミュレータでは、前記した伝熱流動相関式を用いて、熱交換器の寸法とエネルギーならびに運動量の保存を同時に解いて、サイクル効率を最大化した。さらに、CO_2加熱システムのモデルを構築して、バイオマス燃料の入熱に対する発電効率と経済性を評価し、CO_2ガスタービンの適用利用によるバイオマス発電の導入拡大の可能性を評価した。