常時加速度計測による梁構造の疲労寿命における台風時の影響

摘要

現在，高速道路に設置されている情報板，照明等の付帯施設に対し経年劣化が懸念されている．しかし，既往の検査手法は目視による定期検査が主流であり，早期に経年劣化を発見できる手法は確立されていない．懸念される経年劣化として疲労破壊が挙げられるが，疲労破壊の初期における損傷領域は極めて小さく，計測や通常の点検では検出が困難である．しかし，疲労破壊と作用応力との関係はS-N曲線等々の評価法が確立しており，局所応力を計測することでその履歴から疲労寿命を予測可能である．本研究は，情報板F型支柱を対象とし，加速度計測からひずみの予測，寿命の評価を行うものである．本研究で対象としているF柱は，特に橋梁部では交通，風圧の影響により大きく振動し，かつ設置場所により，振動方向，作用外力が異なる．また，台風等の影響が大きく常時モニタリングを行い，各個体の情報を収集することが保全には望ましい．しかしながら，歪みの計測に用いられるひずみゲージは，耐候性に問題があり長期モニタリングには難がある．そこで，本研究では耐候性が高く長寿命な加速度計を用いたF柱の疲労評価手法の提案と実機での検証を行う．加速度計測から構造の振動を計測し，作用応力の推定，寿命予測手法の妥当性および予測誤差の要因の考察を行う