Mg_2Siの力学特性と熱電特性に及ぼす粒径と第二相の影響

摘要

未利用熱を有効活用する手法の一つとして，熱から電気を直接回収できる熱電変換技術が注目されている．Mg_2Si系化合物は300-600°Cの温度域で高発電効率を示すため，工場排熱の利用や自動車への搭載が期待されている．真密度1.99g/cm~3と軽量，地殻内に豊富に存在する元素で構成されるという利点を持っている．自動車への搭載といった実用化を考えると，振動などに起因する機械的負荷が生じることが想定される．先行研究よりMg_2Siの破壊靭性値は0.7-1.0MPa{the square roots of}mであり，強度が表面の傷や内部欠陥に依存する脆性材料であるため破壊靭性値の向上が実用化に不可欠である．本研究では多結晶Mg_2Siの高靭化を目的に，マトリックス粒子の微細化及び第二相を添加したMg_2Siを作製した．溶融合成で作製されたMg_2Siを手粉砕及びボールミルを使用し微細化した粉体を使用して焼結体を作製した．また，第二相にはSi_3N_4粒子を用い同様に焼結体を作製し，Mg_2Siの機械特性に及ぼす粒径の影響について評価した．添加粒子の粒径と体積分率が機械特性に及ぼす影響について評価を行った．