拡大VCOディーゼルノズルにおける針弁の偏心が一次微粒化と噴霧特性に及ぼす

摘要

ディーゼルエンジンの従来のノズルはSac室内の残留燃料の後だれによる未燃炭化水素が発生する．そのため未燃炭化水素の発生を抑制するVCO（Valve Covered Orifice）ノズルの使用が考えられているが針弁の偏心によりSootが増加するといわれている．つまり針弁の偏心が燃焼に大きな影響を及ぼすといえる．そこで著者らは実際の10倍拡大したアクリル製の二噴孔VCOノズルで噴射実験を行ってきた．3次元微動装置のマイクロメータにより針弁を任意の位置に精度よく偏心させ，液体を噴射することができる．そうすることで，噴孔内の流れの可視化や噴霧角の測定，流量係数の測定を行ってきた．その結果リフト量が小さい場合，わずかな針弁の偏心量でも，噴霧角が複雑な変化を示すことがわかった．本報では既報に続き，針弁の偏心量が噴霧角や流量係数に及ぼす影響について詳細に検討することにした．