交差通路でのすれ違いにおける相手との相互影響による判断特性の変化を考慮した歩行者の行動判断モデルの構築

摘要

移動ロボットが人と共存するためには，衝突回避による安全性が確保できることが必須である.特に，屋内の交差通路では死角が存在するため，衝突による高いリスクが存在する.そのため学校や病院などに関して，国や自治体レベルで出会い頭の衝突に対する安全対策の検討が行われている.安全対策には，通路の角を落したり，角にミラーを取り付けるなどが挙げられるが，いづれも経験に基づいたものである.したがって，移動ロボットが走行するような未知の環境において，どのような方法，スペックが必要かを事前に算出することはできない.もし，歩行者の行動やその判断をモデル化し，シミュレーションにより検証することができれば新しく移動ロボットを導入する際にも，安全に運用するための方法や，そのスペックを事前に検討し，その効果を確認することができる.そして，それによって人共存環境への移動ロボット導入が促進され，人々が移動ロボットによるメリットを安心安全に享受できるようになると期待できる.