ダイナミック型氷蓄熱を対象とした水-油エマルションによる管内連続製氷-長時間運転の与える影響

摘要

氷蓄熱システムとは夏季，昼間に集中する電力負荷の平準化を目的とした技術であり，環境負荷低減のための熱エネルギー貯蔵という観点から注目され，これまでに様々な研究が行われてきた．氷蓄熱システムは製氷方式によって，スタティック型とダイナミック型に分類されるが，流動性を備え，熱応答性に優れた微細な粒状氷の生成，装置の省スペース化が可能といった利点から，ダイナミック型氷蓄熱の研究が盛hに行われている．しかし，ダイナミック型氷蓄熱システムには冷却壁面に氷が付着することによる熱抵抗の増加および連続製氷が困難になること，また，生成された粒状氷を長時間放置すると氷粒子同士が結合し，粒子塊を形成して流動性が失われることなどの問題点がある．そこで著者らは，添加剤としてシランカップリング剤を添加した水-油エマルションを用いることによって冷却壁面への氷の付着を抑え，生成された氷の流動性を保つ解決方法を提案し，容器内接拝製氷と管内連続製氷の2つの製氷方法について検討を行っている．