PETボトルへのケイ素酸化物被覆技術

摘要

薄膜材料として、若干、茶褐色を呈するカーボン膜と無色透明なケイ素酸化(SiO_x)膜がある。カーボン膜としては、ダイアモンドライクカーボン(DLC)（高周波プラズマCVD法、麒麟ビール㈱（日本））、ACTIS（マイクロ波プラズマCVD法、Sidel社（フランス））があり、SiO_x膜としては、BESTPET（電子線蒸着法、コカコーラ社他（米国））、クォーツライクフィルム(QLF)（高周波CVD法、イースターパック社（米国））、Glaskin（マイクロ波プラズマCVD法、テトラリーベル社（スイス））、Plasmax（マイクロ波プラズマCVD法、SIG社（独））、GL-C（高周波プラズマCVD法、凸版印刷㈱（日本））、SiBARD（マイクロ波プラズマCVD法、東洋製罐㈱（日本））などが発表されている。これらはカーボン膜やSiO_x 膜を高周波やマイクロ波によるプラズマCVD法により、PETボトルの表面に被覆し、ガス遮断性を未被覆PETボトルの数倍から数十倍向上させる技術である。ここでは、「PETボトルへのケイ素酸化物被覆技術」と題して、従来のPETボトルへのケイ素酸化物被覆技術の問題点を明確にし、当社が開発してきたこ層構造が特徴であるSiO_x被覆技術について報告する。