距離非接触精密光コム距離測定技術の開発（第3報）～光コムを用いた粗面に対する非接触測距

摘要

製品や施設の寸法を高精度に計測するための精密測距技術は、製品寸法の高品質化に必須の技術となっている。距離計測器が実際に使用されている大型施設や航空機の生産現場においては、遠方から、非接触かつ高速で、高分解能（10μm）に測距を行う計測手法が求められている。本研究では、光コムと周波数シンセサイザを利用する計測手法を提案している。光コムはRb発振器によって安定化されているので、光コムのセルフビートの不確かさは非常に小さい(本研究では10~(-10))という特徴がある。これを利用して計測精度を高めることができる。また、周波数シンセサイザもRb発振器によって安定化されているので、測距対象に応じて測距に用いる周波数を周波数シンセサイザが出力する信号の周波数を変更するだけで簡単に選択することができる。また、高周波(RF)発振器による周期誤差の影響を無くすことも目標の一つである。本報においては、光コム1台と周波数シンセサイザを用いて粗面に対する測距測定の検証を行ったので、そのことについて報告する。