無電解Ni-P 複合めっきによるマイクロダイヤモンド工具の開発とマイクロ加工への応用

摘要

現在，各種機械装置の高集積化,小型化に伴い,金型や部品などに微細な加工を施す要求が増加している．色々なマイクロ加工方法(LIGAプロセス，レーザ加工など)の中でも機械的なマイクロ研削·切削加工はその適用範囲が広くて他の加工法よりも優れている．しかし，その機械的な加工工具としては電着·電鋳などの電解式による製作が主流になっている．マイクロ工具製作は電解式のみならず，無電解式でも可能性を有しており，もっと広い範囲にわたる工具製作が可能になると思われる．本研究では,超硬合金を台金とし，これにダイヤモンド砥粒を無電解Ni-P複合めっきで固定することによるマイクロ工具の製作を目指し,このように製作された工具を用いてマイクロ加工へ応用することを目的としている．ここでは，無電解複合めっき条件を探すとともにマイクロ工具の製作に応用し，製作された工具を用いて単結晶シリコン溝加工を行ってマイクロ加工への応用の可能性を調べた．そして工具寿命と加工精度について調査した．