超純水のみによる電気化学的加工法の研究－加工中に生成するOH ラジカルの測定

摘要

本加工法の反応機構は、超純水中のOH~-イオンが陽極表面で電子を奪われてOH ラジカルとなり、これが被加工物と反応することで加工現象が進行すると考えられる。銅については、第一原理分子動力学シミュレーションによる反応機構の解明が行われており、図1 に示すように、OH ラジカルと被加工物表面原子との相互作用により、表面第１層原子と第2 層原子との結合力が低下し、表面原子が除去加工されることが予測されている。そこで、本報告では電解加工中に電極表面で生成するOH ラジカルを測定し、加工現象の反応機構を実験的に検証する。OH ラジカルの検出·定量には蛍光プローブ法を用いる。この方法では、OH ラジカルと選択的に反応し蛍光性物質を生成する物質を検出試薬として用い、反応後の試薬溶液の蛍光量を測定することにより、生成したOH ラジカル量の評価を行う。