微細ガス流マイクロプラズマより流出するイオン電流の観測

摘要

マイクロプラズマは大きさが数μmから数100μmにわたるプラズマであり、微小寸法、高密度、大気圧動作、反応性など従来とはことなるパラメーター領域で生成される。特に、体積に対する表面積の割合である比表面積が大きいことから、高い反応性が期待されている。応用としては微小空間における材料合成、微細加工、あるいは化学分析などが考えられている。我々は微小なヘリウムガス流とメッシュ電極を用いた直流放電により、大気圧中でグロー放電が実現できることを、すでに報告した[1]。この応用の一例として、ガス分析に用いるイオン源として用いられる。本研究で生成した微細ガス流グロー放電では、陰極降下電圧による加速とガスの流れの両方のはたらきで、放電空間通過後のガス流に陽イオンが含まれる。本研究では、イオンの引き出しに外部電界を印加せずに、放電自体の電界とガス流により流出するイオンを測定し、物理現象の検討と応用への可能性を考察した。