アクティブコントロールエンジンマウントシステムの温度依存性を抑制する一手法

摘要

V6可変シリンダエンジンに搭載されエンジン伝達振動を低減させるアクティブコントロールエンジンマウント（Active Control Engine Mount：ACM）において（図1），車両の燃費向上が求められる中，エンジン燃費向上策がエンジン振動を増加させる状況が発生し，ACMにエンジン振動増加分を低減させるように進化することが望まれている．その要望に応えるにはACMアクチュエータの発生力向上による高出力化で達成できる．しかしながら，ACM発生力向上を採用した場合，ACM発生力ばらつきの影響が車両乗心地評価にとって無視できない可能性があるため，ACM発生力ばらつきの主要因である温度依存性の改善手法を調査する．温度依存性の改善手法として加速度センサや温度センサなどを追加したACM発生力ばらつき低減が考えられるがサイズやコストの増大が課題である．本研究では新たにセンサを追加せず，従来システム構成にあるACM駆動Dutyの変化を用いてACM発生力の温度依存性を改善することを狙いとする．