アーメッドボディの遷移現象発生メカニズムに関する研究（第1報）－遷移現象とアスペクト比および傾斜角度の関係性

摘要

アーメッドボディは，Ahmedが考案した，後部に傾斜後面を持つことが特徴の自動車簡略模型である（Fig.1）．この模型は後部の傾斜角度によって空力特性が変化し，傾斜角θが30°で空気抵抗係数C_Dが急激に変化する遷移現象が発生する．Ahmedは，遷移現象が後流構造の遷移に伴って生じることを明らかにし，遷移前の3次元剥離流れ状態（TDS）と，遷移後の準軸対象流れ状態（QAS）に分類した．さらに，この遷移現象は，TDS時には傾斜後面上端で剥離した下降流が傾斜後面上に再付着しているが，QASに遷移すると再付着しなくなることに起因することを明らかにしている．