車両横加加速度に基づくヨーモーメント制御手法の検討（第2報）－2輪車モデルを用いた解析による本質的理解の試み

摘要

横滑り防止装置（Electromic Stability Control：以下ESC）義務化の動きは世界各国で見られ，米国，EU，カナダ，オーストラリアでESC義務化が既に決定されている．近年，ESC用のポンプはギヤポンプ，あるいは多気筒のポンプを用いたプレミアム仕様により，NVH（Noise, Vibration, Harshess）問題が解決されて，スマートアクチュエータとして位置づけられてきた．さらに，ESCの標準化，コモディティ化が進hでおり，ITS機能に対応できるESCの基本構成として，ACC，プリクラッシュブレーキを可能とする減速度制御入力用のポート，車線逸脱防止システム用のヨーモーメント入力用のポートを持つことが多い．もちろh，ESC本来の横滑り防止は，車両情報を用いた．横滑り角推定，それに基づくブレーキ力配分にて保証されている．これに加え，適切な方法で，ADAS （Advanced Driver Assistance System）コントローラ等から制御指令を入力すれば，配分則はESCの仕様により変更できないものの，車両の減速度と，ヨーモーメントを制御できる（図1）．