スマートフォンを用いたアンビエントネットワークサービスのためのコンテキスト認識

摘要

近年，スマートフォンなどの携帯端末は小型化·高機能化が進hでいる．一般にも普及が進み，移動中の情報収集に活用している利用者が多数存在する．しかし現状ではアプリケーションの選択，起動，情報の検索や選択といった作業を利用者自身が手動で実施する必要がある．また利用者の状況によって，画面内の小さな文字を読む余裕がない場合には，立ち止まっての確認や画面の拡大が必要である．このような問題には，様々なセンサを利用して利用者とその周囲の状況(コンテキスト) を認識し，そのコンテキストに合わせてコンテンツの提示内容及び提示方法を切り替えることが重要である．こういったコンテキストアウェアシステムの多くでは，別途用意した小型のセンサを利用者が装着する必要があるため，着脱の煩雑性や利用者に与える拘束感などの点で問題があった．そこで本研究では，スマートフォンに内蔵されるセンサだけで完結するコンテキストに応じて情報検索のためのインタフェースを切り替えることで，移動中の情報検索に伴う手間を削減するコンテキストアウェアシステムを提案する．本稿ではその基盤となる，スマートフォン内蔵のセンサを用いたコンテキスト認識機構を提案するとともに試作した認識機構について報告する．