自律分散型スマートグリッドi-Rene体験型シミュレータのゲーミフィケーションに関するユーザーエクスペリエンス評価実験

摘要

本研究では，ゲーミフィケーションに基づき開発したi-Reneゲームによって，ユーザに，i-Reneの系について理解を深めさせることを目的とし，実験を行った．本実験の結果，ゲーミフィケーションによって拡張することで，通常のシミュレータよりも被験者に対して高い学習効果を与えたことがわかった．特に，効用獲得ランキングという客観的評価と，SUSのような主観的評価の両面からユーザの内発的動機の向上が示唆されたことから，ゲーミフィケーションによって内発的動機が向上し，それに伴い学習効果も向上したと考えることができる．近年の理論的な研究により，i-Reneの系では，住人が地域内電力価格の高い時間帯をなるべく避けて生活することで，地域内電力自給率を向上可能であることが示されている．今回の実験に置いて実装した実験系では，支払い価格を最小化させることに働きかける仕組みは不十分であったと考えられるため，今後は支払い価格を最小化させるよう働きかける仕組みを盛り込hだシステムに拡張する必要があると考えられる．また，将来的構想として様々に提案されている多くの電力網に関して多くの人々が事前にその特性を知り議論できるよう，ゲーミフィケーションを通した学習プラットフォームの構築と，オンライン上での公開を見据えた環境整備を進めていきたいと考えている．