バインダーレスWC硬質セラミックスの微細組織と機械的性質におよぼすTiCの効果

摘要

多結晶セラミック材料の硬さは平均粒径との間にHall-Petch則に類似する関係があり, 高い硬さを持つWC単体においても，平均粒径の減少による硬さの増加が報告されている．TiCはWC－Co超硬合金への添加で，WCの粒成長抑制と耐摩耗性向上の効果がある.TiC単体のヤング率は約450GPaであり，WCを除く遷移金属炭化物の中では比較的高いノバインダーレスWCへ添加した場合，添加によるヤング率の低下を最小限に抑え，粒成長を抑えて硬さが増加する可能性がある．これまでに各種他炭化物添加による影響を調べてきたがノミインダーレスWCもこZrCを加えた場合，1800°Cでも緻密に焼結しなかった．焼紆性を著しく悪化させず，高い硬さ，高いヤング率を持つバインダーレスWC硬質セラミックスを得るため，本研究ではTiCに着目した．機械的性質に優れるバインダーレスWCの作製指針を得るために，TCを添加し構成楓微細組織および硬さ，破壊靭性値などの機械的性質の変化について調べた.