タンパク質結晶構造解析用試料準備協働ロボットの開発

摘要

タンパク質の立体構造を原子レベルで解明するための主な方法の一つがX線結晶構造解析であり，そのための実験装置が放射光施設のタンパク質X 線結晶構造解析ビームライン（PX-BL）である．PX-BLでは，試料であるタンパク質結晶を自動交換するための試料交換システムが導入されている［1-2］．タンパク質結晶は微小で脆いため，クライオピンと呼ばれる試料ホルダで管理する．さらにクライオピンはカセットに入れて保管される．解析を行う場合は，カセットを施設に持ち込み，試料交換システムの液体窒素容器にセットする．PX-BLの高度化の結果，解析に必要な時間が短くなり，研究者はより多くの試料を持ち込むことが可能となり，試料準備の作業を効率的に行いたいというニーズが生じてきた．本発表では，試料準備のための協働ロボットの開発に関して，その社会実装プロセスを述べる．