パーソナルモビリティWinglet を用いたシェアリング実証実験－ドライブレコーダデータ分析

摘要

環境問題を始めとした交通に起因する問題の解決に向けて，様々なアプローチでの研究が行われている．交通事故死者数は，順調に減少はしているものの，交通事故発生件数は平成24年で約67万件と交通事故死者数の減少と比較すると依然として高い．また，都市部の慢性的な渋滞やエネルギー問題の解決のため，都市機能をコンパクト化し，トータルで効率的で安全な移動手段が期待されている．我が国では少子高齢化が加速的に進hでおり，高齢社会白書によると，2060年には65才以上の高齢者が総人口の約40％を占める超高齢社会を迎える．そのため，人の代替，もしくは人を支援するためのロボット関連技術の開発が盛hに行われている．近年では高齢者の自動車事故が増加しており，安全面での対策が急務となっているものの，近距離移動に限定したとしても，それに代わる利便性の高い移動手段がなく，従来にはない革新的な移動手段の開発が期待されている．そのため，都市部や街中などの近距離移動支援手段として，高齢者に優しく，かつ電動で低炭素型の移動支援システムとして，パーソナルモビリティ（以後 PM）への期待が高まっている．