近赤外域の多波長を用いた酸·アルカリ水溶液の中和熱と生成塩濃度の可視化

摘要

物質合成·反応や熱交換の高効率化を目指したマイクロリアクタ技術が近年精力的に研究されている．マイクロ流路内では，粘性力や界面張力などの表面力の影響が支配的となるため，マクロスケールの流動現象とは異なることが知られている．このようなマイクロ流路内の輸送現象の理解や物質合成管理を行うため，温度と濃度の同時かつ連続的な計測が必要となるが，従来の蛍光法では, 試料へのマーカー物質添加が必要であり，また熱電対では点計測に限られるなど，実用上簡便な可視化法がないのが現状である．