近赤外レーザー誘起表面波を用いた粘性率·表面張力測定法の開発－表面加熱と体積加熱における試料の表面張力温度依存性がもたらす系統的不確かさの理論解析とデカノール水溶液を用いた表面張力温度依存性の影響の実験検証

摘要

レーザー誘起表面波法は，従来にない非接触·超高速（マイクロ秒）·極微量（マイクロリットル）で粘性率を測定可能な光学的測定技術である．本研究では体積加熱理論［1］をもとに，本測定法を用いた実用的な粘性率センシング装置の開発を目指しており，本論文では，表面張力温度依存性に着目し，表面加熱および体積加熱における測定上の系統的不確かさの理論解析を行った．また，表面張力温度依存性が極小値を示すデカノール水溶液の比較測定によって，表面加熱方式より体積加熱方式が実用的であることの有意性を検討したので報告する．