屋根勾配を考慮した大地熱融雪と融雪装置

摘要

現在，雪氷による災害は後を絶たず，克雪対策が急務となっている．さらに，CO_2排出削減による温暖化の防止及び積極的な自然エネルギー利用が世界的に注目を集めている．欧米では自然エネルギーの１つである大地熱が利用されており，その大部分がヒートポンプへの使用である．我が国においても，関山トンネルに見られるような大地熱ヒートポンプを用いた融雪が行われ始めている．本研究室では，最小限の熱損失及び環境負荷低減を意図したスパイラル大地採熱管及びヒートパイプによる屋根融雪，安全性の向上を目的とした非落雪による可変勾配型軒先融雪での実験を行ってきた．本論文では，これまで行ってきたヒートパイプと大地熱を利用した融雪装置を一般住宅（舟形エコハウス）に用い，自然エネルギーによる融雪の実現を試みたため，その結果について考察する．また，屋根全体への積雪を軒先のみで融雪する運転方法及び屋根勾配について報告する．