次亜塩素酸水製造用多孔質隔膜のベーマイト処理による高機能化

摘要

[緒言] 次亜塩素酸水は消毒や除菌、消臭剤として注目を集めている。次亜塩素酸水は食塩水を電気分解して製造できる。この中で3室型と言われる電解水製造装置では陽極室で次亜塩素酸水を、陰極室では洗浄に向く水酸化ナトリウム水を生成し、中間室には原料となる食塩水を入れる。各室間には塩化物イオンを選択的に通す膜、ナトリウムイオンを選択的に通す膜がそれぞれ設置される。前者の膜は一般に高価で耐久性に劣る。そこで安価で耐久性に優れるフッ素系の多孔質膜を検討した。しかし、塩化物イオンと同時にナトリウムイオンもかなり通してしまうために、次亜塩素酸水の中に食塩が混じってしまい、3 室型の利点を損なう。本講演では多孔質膜をアルミ酸化物の一種である安定なベーマイト処理することにより、高機能化を試みた。