MEMS可変容量を用いた中心周波数，帯域幅可変フィルタ

摘要

中心周波数と帯域幅を独立に変更可能なフィルタに関し，その構成要素であるリング共振器を用いた可変共振器の構成とその特性をシミュレーションにより示した.この可変共振器を用いたフィルタの構成につき述べ，特性をシミュレーション及び測定により示し，当該可変フィルタが，可変容量のみにより中心周波数，帯域幅を独立に変更可能であることを示した.今回示した可変リング共振器の無負荷Q値は50程度と低く，これは主にリング共振器の寄生抵抗，Off状態のVPRCに接続されている可変容量のQ値, MEMS可変容量の特性ばらつき，によるものと考えられる.可変フィルタの挿入損失を低減するためには, 1)リング共振器の寸法最適化, 2) MEMS可変容量とリング共振器の集積化, 3) MEMS可変容量間の容量ばらつきの低減，を検討する必要がある.