留守児童サービスセンターの効果に関する研究:中国・四川を事例として

摘要

1990年代中国の高速経済発展に伴い、都市化が進行している。また、都市と農村の二重構造による地域格差の激しさで、農村から都市に出稼ぎに行く人が増えてきた。しかし、都市に出稼ぎに行く人が都市に定住しても、住民登録ができないため、子どもを公立の学校に入れることが難しいというのが現実である。かくして、出稼ぎ農民工の子どもは農村の家に残されることになる。2008年から2011年の4年間、子どもを農村の家に残し、両親が都市に出稼ぎに行くことが年々増えてきた。2011年に中国当局が発表した数字によると、片方または双方の親が出稼ぎに行っている農村部の留守児童は全国で6000万人に上がった。すなわち、農村児童の4人に1人が留守児童ということになる。これらの留守児童は長期間親と離れ暮らすことで、さまざまな問題を抱えるようになり、それが大きな社会問題になってきた。