教室と教室周辺での生徒の行動特性と居場所選択について:特別教室型中学校における生徒の居場所選択と行動に関する研究その1

摘要

近年、学校の改築が進む中、従来の運営方式である特別教室型中学校においても、オープンスペースを中心とした新たな空間づくりが重要視されてきている。本稿は、特別教室型中学校での教室移動のない授業間休みの生徒の行動に着目し、生徒の居場所選択と行動特性を明らかにし、今後の学校建築計画の指針を得ることを目的とする。調査対象校は、長野県上田市立第一中学校（以下、一中）とした（pic.l)。一中は、管理棟•学年棟•特別教室棟から構成され、うち学年棟は、学年ごとに設けられ7つの教室をワークスペース（以下、WS)で繋ないだ2層の建物となっている。学年棟は外部空間である廊下によって繋げられ、個別にベランダが設けられている（fig.2)。調査は、2012年7月に全校生徒に対して、休み時間における過ごす場所や集団規模などについてのアンケート調査を行い、9月に計5日間の行動観察調査を行った。行動観察調査では、ビデオ撮影での生徒の行動の記録と平面図へのプロットを実施した（fig.l)。