都市における外装タイルの利用傾向と建物との相関関係についての研究: 新宿区での実地調査を通して

摘要

以上のことから建物の所有者や設計者が感じた周囲からどのように見られているか、その意識がタイルとして表出しており、それには建物規模や用途によって差異があることが確認できた。さらに規模や用途では区別できない細かな差異もあることから当時の流行や建設費用も見られている意識の要因としてタイルの使い方に影響していると推測できた。　タイルと都市に傾向が見られたことから、タイルがその場所や建物についての傾向を読み取れる、一定の指標なりうることが確認できた。これらの調査・分析に加え、建てられた年代、建設費用などとの関係を明らかにすることで、指標としての精度の向上が見込める。