柔軟衛星の軌道上柔構造特性同定の検討

摘要

柔軟衛星の姿勢制御に重要な柔構造特性を軌道上で評価する際，ダイナミクスモデルとして非拘束モードモデルが一般的に用いられる．この非拘束モードモデルは，全系振動モードの重畳で表されるため，全系の振動特性を表すのに適している．しかし太陽電池パドルの回転のような柔軟付属構造物の取付角変化によってダイナミクスが時間的に変化する時変システムでは，柔軟付属構造物を部分構造として扱う拘束モードモデル を用いたほうがシステムを記述しやすい．拘束モードモデルは設計段階の解析ダイナミクスモデルとして広く使われており，柔構造特性の軌道上評価結果を解析ダイナミクスモデルと比較するには，柔軟付属構造物の拘束モードパラメータで表された拘束モードモデルの評価が必要となる．