パーソナルデータの利活用と規制を両立させる情報ガバナンスの考察

摘要

IoT や自動走行に係るサービスにおいて、ヒト（利用者）～モノ（デバイス）～コト（行動）の一体化された活動に伴って収集・利活用の対象となるビッグデータの管理指針を定めることは急務だと考えられることから、本稿においてデータの利活用と規制のガバナンスを図るルール化を考察する。その中で、ヒトの活動により参照・更新が伴うIoT 事業のパーソナルデータの所有・利用において、ステークホルダーの間の合意形成をいかに図り、利活用と規制を調和させるのかは、IoT を推進するための課題になる。2017 年5 月末に個人情報保護法が改正・施行されて、パーソナルデータ利活用の環境が整備されてきたが、利活用と規制の合意ルールは必ずしも形成されておらず、両立を図るために、情報管理と法的規制を融合した研究が十分行われているとは言い難い。パーソナルデータの利活用と規制のルールの可視化を進めることで、IoT サービスの平時と紛争等の有事の両方で、ステークホルダーがいかにアカウンタビリティを発揮するためかを研究する意義は大きい。